2020年より3ヶ月ごとに神奈川県茅ケ崎市にある老舗書店・長谷川書店(❛はせしょ❜)にて開催している読書会(書評哲学カフェ)。
第3目は2021年月10月10日開催しました。
テーマは「スポーツについて語るときに、私たちが語ること」。
課題本は、村上春樹『走ることについて語るときに僕が語ること』(文藝春秋)、
参考図書は、M.ローランズ『哲学者が走る』(白水社)、
T. ゴタス『なぜ人は走るのか』(筑摩書房)でした。
この日はかつて「体育の日」と呼ばれていた国民の祝日。
以前より参加者から村上春樹の本をとり上げて欲しいというリクエストがあったので、
あえて旧「体育の日」に、村上春樹の運動に関するエッセイをとり上げてみました。
当日は、本の内容についてみんなで意見交換したあと、
「スポーツ(運動)するときにおける内在的価値とは何か?」
というテーマで対話しました。
ともに活発に意見が出され、いつもながら全く時間が足りませんでした💦
「『スポーツ嫌いの方も大歓迎』と告知文に書いてあったから参加した」
という方もいましたが、参加者ほぼ全員、過去に一度でもスポーツに真剣に取り組んだ経験がある方ばかりで、しかもそのヴァリエーションも豊富。
部活経験すらない(通っていた中高等学校に部活がなかった)ファシリテーターは、これまでの自分との運動量の差に愕然としてしまいました。
もともとファシリテーターはスポーツが嫌い(ダンス、ヨガは除く)。
確かに村上春樹の本作品は、スポーツドキュメントとしても読めますが、
自己啓発的側面もあるので、スポーツ嫌いでも大いに楽しめました。
村上春樹は走ることを書くことに、そして彼の職業作家としての人生になぞらえています。
参加された方々によると、スポーツの種目が違っても、また職業が違っても、共感できる普遍的なものが彼のこのエッセイにはあるそうで、その点において全員意見が一致していました。これは今回是非とも聞いてみたかったことの一つだったので、そういった意見の一致を確認できたこと自体、収穫でした。
参考図書にあげた、M.ローランズの『哲学者が走る』(白水社)も、
村上春樹の本エッセイと同様、自己啓発的側面があり、
走ることに興味がない人でもきっとおもしろく、おすすめです。
もう一冊参考図書としてあげたT. ゴタスの『なぜ人は走るのか』(筑摩書房)は走ることの人類史。エピソード盛だくさんですが、なにせ長い。
どちらか一冊と言われたら、断然、前者の方を推します。
「両方読んだ」という参加者の方もいらして、嬉しかったです。
というわけで、ファシリテーターも読書会(書評哲学カフェ)終了後、
若干の危機感もあり、もっと運動したくなりました。
(そして実際、今までの運動に加えて新たな運動も始めました!)